練馬大泉町のリノベーション(戸建)

 練馬区大泉町にある建築家により設計された築49年木造戸建住宅をリノベーションし、新旧折衷により大らかな空間に再構築した。当然ながら耐震改修・断熱改修を行ない、良質なストックとしての性能を獲得している。
 新たに4人家族の住まいとなり、平日の日中は奥様が営むアロマセラピーサロンやワークショップスペースとして活用される。既存建物には大きな吹抜けがあり、1階の居間と2階の寝室三部屋が吹抜けを介して繋がっていた。この既存空間構成を拡張し、全ての居場所が、吹抜けや土間を介して緩やかに繋がる空間構成へと更新した。これにより、顔を合わせていなくても気配で家族の温かさを感じられる住空間となっている。
 1階のリビングスペースは、時にアロマセラピーサロンやワークショップスペースにもなるので、不特定多数へまでは開かないが、友人知人が集まる地域の交流拠点として住み開きが成されている。1階床面積42㎡の約3割にあたる13㎡の玄関土間は、ポーチ⇔玄関⇔キッチン⇔出窓ベンチ⇔屋外デッキと、各部は狭いながらも空間を重層させることで奥行きのある風景をつくる。ここではカウンター越しに、母として子どもたちを出迎え、時にセラピストとしてお客様をお出迎えする。「おかえり」と「ようこそ」の2つの情景が生まれた。
 硬直化した住宅地の空間構造を少しだけ緩め、住み開きによって「おかえり」と「ようこそ」の2つの情景をつくることで、家に対する意識の変化が生まれることを期待している。家は家族の器である一方で公共財としての側面もあることを、遊びに来た子どもたちやママ友に感じてもらうことで、良好な地域コミュニティ形成に寄与したい。


No.196WType住宅(戸建てリノベーション)Year2018Role建築設計監理Location日本・東京都Published「100%LIFE」12/2018