築38年の木造2階建て住宅のリノベーションである。
元々施主はこの家に自ら手を加えながら暮らしていたが、間取りの変更、設備機器の更新、耐震補強、断熱性能の向上のため本格的にリノベーションすることとなった。
敷地は県立狭山自然公園区域内に指定されており、植物が好きな施主が育てている庭の緑と、目の前を流れる柳瀬川を挟んだ対岸の緑を楽しむことの出来る、自然に恵まれた環境である。
柳瀬川は敷地より下がっており、1階にいても2階にいるような見通しの良さが得られることから、1階の南側の窓を増やし、室内から庭の緑と対岸の緑を一望出来る間取りとした。
室内の仕上げは、壁と天井を構造用合板現しとしているが、壁は節の少ないヒノキ、天井はカラマツと樹種を分けている。廊下の床は、1階はモルタルと木を交互に並べ、2階は光を通すため木のルーバとした。
モルタルと木という限られた素材を、場所によって使い方や組み合わせを変えることで様々な表情のある空間を作った。