前面道路側に駐車場を確保するため南側に寄せたボリュームを平行四辺形に変形し、長い対角線を活かしたリビングと隣家のない南西方向への抜けを確保している。
一階北東部には、外部からモルタル仕上げが続く玄関土間=”外のような内”を設けた。
そして、二階南西部には、内部から外部へ連続する切妻天井の下で高めの手摺に囲われたバルコニー=”内のような外”を設けている。
住宅内に”外のような内” と”内のような外”を設け、それらを緩やかにつないでいくことで、当該敷地のポテンシャルを最大限活かす伸びやかな住宅を目指した。
一般的に「外部と内部を融合させる」と言うと、快適な外部環境を内部に取り込み”外のような内”をつくることと一義的に捉えられることが多い。
しかし、都内の宅地のように必ずしも外部環境が良好とは言えない敷地においては、ただ内部に外部環境を取り込むだけでは不十分である。
「平行四辺形の家」では、”外のような内” があり”内のような外”もある両義的な外部と内部の融合を試みた。
No.087WType住宅Year2014Role建築設計監理Location日本・東京都