©古末 拓也

つつじヶ丘のリノベーション (戸建)

敷地の南東側には、三鷹市が所有する中原雑木林公園がある。当該敷地は雑木林公園より高台に位置するため、樹木の枝葉を眺めることができる好立地である。公園や周辺建物からの視線もあまり気にならない。しかし、既存建物は、90年代に周辺7棟を一体的にミニ開発したうちの1棟であり、周辺環境を配慮することなく、一定の部屋数と最低限の採光・通風を確保しただけの建売住宅であった。南東側の雑木林公園に対して、ほとんど開口部が設けられていなかった。
 そこで、再販のためのリノベーションに際して、南東側の全ての部屋に窓を設け、ベランダやテラスを拡張し、より周辺環境の特性を活かす計画とした。2階のリビングルームにおいては、雑木林に向かって大きな出窓を挿入している。大きな出窓は、視線や体勢を制限することにより振る舞いを促し、窓辺で過ごす時間を豊かにしてくれる。例えば、昼間は日差しや風を感じ、夜間は月や星を眺める。大人はゆっくり本を読みながら昼寝をし、小さな子供は机のように絵を描く。そこで得られる時間を楽しむことで、雑木林の隣にある住まいだからこそ得られる豊かさを享受できると考えた。一方で、出窓の設えが外部にも表出され、移り変わる四季や時間を味わいながら暮らすことができる家の顔となっている。


No.124WType住宅(戸建てリノベーション)Year2016Role建築設計監理Location日本・東京都