光市三井の家

山口県光市の幹線道路沿いに建つ医院に隣接した住宅の建替え計画である。幹線道路沿いには余裕を持った距離感で住宅や畑が並び、敷地の背後には雄大な山並みが控えている。
「次世代の原風景」をつくるために、美しい自然の山並みだけに目を向けるのではなく、ロードサイドに建つ戸建住宅の家並みにも素直に向き合いたいと考えた。
リズミカルなボリュームを一本の廊下とバルコニーでつなぎ、ひとつづきの長屋根で覆うことで、遠景の山並みに呼応させている。一方で、医院側からは変哲もない方形屋根・メンテナンスフリーの金属サイディング張りの外壁を見せることで家並みに寄り添う。また、塀やバルコニー手摺りは、この場所にある二つの風景をつなぐ存在として、遠景の山並みへと続く中景の役割を担っている。
山並みに寄り添うノスタルジーと、地方都市ロードサイドのコンテクストを受け入れる環境受動的側面を併せ持つことで、建築美追求にとどまらず、「次世代の原風景」=「新たな美しさの概念があるまちの風景」を生み出したい。


No.116WType住宅Year2016Role設計監理Location日本・山口県