©古末 拓也

世田谷桜丘のリノベーション (戸建)

計画敷地の西側は都営住宅団地内の公園に、南側は公立中学校の裏庭に面しており、中学校側には大きな桜の木があるという借景に恵まれた敷地である。
既存建物は築50年を超え、建築確認申請書及び検査済書がない状態の延床面積62㎡程度の小さな木造住宅であったが、既存建築物の法適合状況調査を経て、増築改修を行なった。
借景に恵まれた西側と南側は、既存躯体の外側に断熱層を設けた外断熱工法により真壁仕様とすることで、外に向かって拡張された開く構成とした。
一方、隣家が迫り建っている北側と東側に対しては、大壁仕様として閉じる構成としている。
外壁仕上げにおいても、南西側はモルタル金鏝仕上げ、北東側はサイディング張りとして仕上げを切り替えることで、開く面と閉じる面により明確なコントラストをつけている。
できるだけ純粋に周辺環境への呼応でうまれた“素”の建築とするべく、竣工時にはバスルーム以外の間仕切り壁を設けていない。その上で、将来的な間仕切りに対応できるように、主に設備面での冗長性は担保している。
ここでは、ただの平面的な増床ではなく、既存建物をひと回り大きな外皮で包み込む手法とし、空間の立体的拡張、断熱性・気密性の向上を試みた。高さ方向にもひと回り大きくラップした新規の外皮を付加することにより、コンパクトながら広がりが感じられる空間性も獲得している。


No.112WType住宅(戸建てリノベーション)Year2016Role建築設計監理Location日本・東京都